ディレクション&グラフィックデザインがどのように進められていたのか
萩原さんにお聞きしました。
ディレクションは萩原さんととチーフデザイナー岸さんのおふたり。
同窓会実行委員のフジタくんも参加。
カラーカンプイラストが上がってきてからは岸さん・高橋さんチームで制作。
コピーは萩原さん。なんども書き直しと提案を繰り返しました。
わたしもメールと電話にて感想を述べたり絵のイメージとすりあわせたりと参加。
デザインは1案を高橋さん、2、3案を岸さんが担当。
カンプイラストにあった雰囲気で納められるようコピーの文字数などを再調整。
最終的に1案が採用になりましたが、
高橋さんがデザインを担当してたのでそのままフィニッシュまで。
何かある毎、その都度、岸さん・高橋さん・萩原さんの3人で話し合いしていたそうです。フジタくんも参加、色校正などの確認。
細かなレイアウト、原画の紙の質感をどう反映させるか?など。
「本当にその都度、3人で詰めながら作業しましたね〜。」と萩原さん。
原画のサイズはA4程度で小さい。ワーグマン紙はぼこぼこしています。
これをB2サイズまで拡大して印刷するとなると、紙のぼこぼこが汚れのように
あるいは毛羽立ったかんじに印刷されてしまうのでは
という心配がありました。
加えてわたしの描く絵は印刷では色が出しにくく、色が沈んで濁ったり、
反対に明るくすると色が飛んでしまうことがあります。
このふたつの心配を伝えました。
イラストレーターが色校正に立ち会うことはあまりありません。
少なくともわたしの場合は過去一度だけ。
グラフィックデザイナーさん、印刷会社の担当のかた、製版のかたに
「よろしくお願いいたします」。
その道のプロにお任せします。
〜原画の紙の風合いをどのように反映させるか〜
高橋さんにお聞きしました。
「原画と紙の感じがとてもマッチしていたので、
できればそのままの雰囲気でいきたいなとみんなで話し合っていました。
ただ、出来上がったときにちゃんと紙の風合いに見えるかどうかが少し心配ではありました。(ノイズや汚れに見えないか等)
ちなみに、スキャンしたそのままの画像では背景が暗すぎたので、
多少明度の調節はしました。
色校があがって原寸で見てみてそんなに気にならなかったので、
そのまま印刷に進みました。
とにかく原画がとってもステキで、
その懐かしいようなちょっと切ないような雰囲気を生かしたいねと
皆で作業を進めた結果、あのポスターができあがりました!」
最後、ありがたいおことば。うれしい。苦労が報われます。
ほめられて伸びるコだし(、、コという年ではないですね〜(´▽`;))。
楽しい仕事でした、でも正直かなりたいへんでした。
一枚の絵に13点の写真のようなイラストを配置、
13枚の絵を描くのと同じくらいの準備が必要でした。
仕上がったときの一瞬の喜び、じんわりとささやかなしあわせ(Tiny Happiness)、
これがあるから苦しくてもやめらません。
ポスターが刷り上がってきました。
印刷会社は須田製版旭川支社さん。ありがとうございます!
きれいに印刷されています。
印刷で紙の風合いをだした効果が少しでもわかるように、一部拡大してアップします。
描くにあたってメインにしたいと思った昭和ひとけた世代の男の子たち。
現在70歳代。
昭和10年代中盤になるとほとんどぼうずあたまなのですが、
この世代はいろいろでおしゃれ、みていて楽しいのです。
もうひとつメインにしたいと思った昭和10世代の女の子たち。
現在60歳代。
かずちゃん、のりちゃん、まりちゃん、みどりちゃん、
よっちゃん、きょうこちゃん、ちえちゃん、、、、、
アルバムの女の子たちみんなからエッセンスを少しずつ。
詳しくは時代とファッション編で。
やはりモニターでは印刷効果がはっきりみえませんね。
色のある部分は紙、絵の具のにじみが原画より拡大されて効果がでて、
それにあわせて、白地の部分は水彩紙の風合いを印刷で表現されています。